- ピル(経口避妊薬)
ホルモン剤を毎日服用することによって排卵抑制、子宮内膜形成抑制、頸管粘液分泌抑制により、99.7%以上と高い避妊効果をもつ ホルモン剤です。副効用として月経量が減少する、月経痛が軽減する、月経前の不定愁訴(月経前症候群)がなくなる、周期的に月経が発来する、ニキビが軽減する、内膜症のような女性ホルモンで悪化していく病気が維持~軽減される等があります。デメリットですが、副作用として嘔気、頭痛、乳緊、むくみ、食欲亢進等がありますが、殆どは2周期以内に軽減します。また、稀ですが血栓症、肝機能障害を起こすことがありますのでタバコを吸う方や高血圧等の基礎疾患を持つ人は使えない場合があります。また生活が不規則で毎日同じ時間に飲めない方や、性格的に毎日服用できない方には向きません。
- IUD(子宮内装具、通称リング)
受精卵を着床させないことを目的とした装具で、a)着床を抑制する単なる異物としてのIUD、b)精子の侵入を防ぐ金属の銅が付加されたIUD、c)黄体ホルモンを徐放性に放出し、子宮内膜を増殖抑制効果によってさらに着床を抑制するIUD(IUS)があり、それぞれ1年間の避妊失敗率は1~2%、0.7%以下、0.3%以下となっています。IUDは挿入してしまえば1年に1回の位置確認の受診をするだけで済む楽で長期間にわたる避妊法です。ただしどのIUDも異物反応が強く不正出血のコントロールがつかない場合が稀にあり、a)、b)、は月経量・痛が増加したり、月経が長引くという副作用が出ることがあります。c)はピル同様に内膜を作らせないため月経症状が軽くなり、原則血中濃度は上がらないのでピルのような内服時の副作用がなく、卵胞ホルモンが入っていないので血栓症のリスクがないので、高血圧、高年齢の方にも安心して使用できます。但し排卵抑制効果はないので、ピルで軽快する月経前症候群やニキビ、自然の乳緊等の症状はなくなりません。またb)、c)は銅のコーティングの保障、ホルモン放出期限の問題上、5年で交換が必要となります。
- コンドーム
簡単に入手、使用ができる避妊法ですが、避妊失敗率は1年間で理想的な使用(挿入前より装着し、正しい装着、射精後速やかに抜去する)で約3%、一般的な使用で約15%と言われ結構避妊阻止率としては高くはありません。その他のデメリットとして性交感が落ちる、ゴム・ラテックスアレルギーの方には使用できない等がありますが、性病が予防できるという大きなメリットがありますのでピルとの併用が望ましいです。
- 殺精子剤
性交前に膣内にゼリーやフィルムを挿入しするものですが、避妊失敗率が15%以上のため緊急時以外は単独の使用はお勧めしません。
- 緊急避妊について
現在日本では失敗後72時間以内に内服するピルと、IUDを挿入する方法とがあります。ピルは排卵前であれば、排卵を起こす黄体形成ホルモンの分泌を遅らせることにより排卵のタイミングをずらす、大量の黄体ホルモンを子宮内膜に作用させることで子宮内膜を妊娠しにくい状態に変えることで着床を防ぐことによって避妊効果を得ています。しかし排卵そのものは起きるので、避妊阻止率は24時間以内であれば約95%、72時間以内なら約85%と言われています。IUDは前述の通り着床障害によって避妊をさせます。今後も継続して長い避妊を望まれる方はこちらの方がいいでしょう。
アフターピルのデメリットは吐き気・腹痛・頭痛等の症状が現れる場合もありますが通常は24時間程度で治ります。自費診療のため保険適用外であり12,000円(税込)の費用がかかります。